農業軽視は地域・町を衰退させる!?

ウンカで、西日本が大変な被害が出る中、全国の作況指数は、東北などコメどころが好調で100を上回るようである。加えて、コロナでコメの消費が落ち込む中、町面積の4割を占める農地で、三宅町の農業はいかにあるべきか?

稲刈り中間整理

・ウンカで、収量が約7割になるとともに、小米等増え質も低下、更に乾燥もうまくいかずアンバラで、等級評価はどうなることやら。翌年のウンカ対策として散布機を約6万で購入。

・耕作道の運搬中、籾を満載した運搬車を横転させ、踏んだり蹴ったりどころではない。籾を片付け人力で運搬後、農機具屋さんに引き上げて貰う。その後、その運搬車が運行中に、2度故障し再度、籾をダンプしてしまう。涙も出ない。(この道は、約10年前から自治会に普請するように要望しているが実現せず。三宅町も電話一本で相手にせず。その割には、広域行政などで代用できるのに、新たに「複合施設」なるものを約10億かけて建設中。税金を納税者に有効に公平・公正に使ってくれよ!人が大怪我をしたりして初めて動くのかな?俺がまとめねば誰も動かないのかよ。)

・乾燥中に乾燥機が故障し、ちょっとした部品が旧品なのでもうないとのことで、100万弱投資し購入。

・ウンカの原因は、いろいろ考えられるが、それぞれの部署が適切に対応しないから来年も心細い。

 ➀先ず、三宅町

 話にならん!農家の事を考えてない(ゴマ・芋の特産品とか言って遊びの人に営農指導とかしているようだが、肝心のこの災禍時は知らん顔!何よりも町が栽培している田んぼでウンカが大発生)

 ➁JA奈良

 これも話にならん。効かない高価な粒剤を進めておいて、効かないと言ったら、栽培の後期なので吸い上げる力が弱く効かないとのこと。藪医者と同じ!ドローンの宣伝倒れもしかり。粒剤が効果が無いなら、粉又は液剤を進めると同時に、散布機の手配をネットワークを活用するなどして何故対応しないのかな?単一農協の弊害か!それにしても、JAに不満を述べる農家が少ないのは、農家に生気がないのと、JAに小規模農家がちょこちょこ職員でいるので、文句を言えない構造になっていると私は睨んだ。丁度、某電力会社が原発を新設するとき、若手男性職員を送り込んで地元の娘と結婚させ反対できない構造を作ったと聞いたのと同じとみた。

 因みに、玄米の水分量につき、農家へ配布されたのでは、14~15.5%が規格値でそれ以外では、規格外であると記載された書類と、16.1%以上が規格外という二種類の書類があり(ダブルスタンダード この0.6%の差は時間的にもかなり大きい)、農家をなめとんのかと言いたくなる。正解は、14.5%が最適値で14.0~15.0が合格、15.0~16.0%が「水高」となるが一応合格、それ以外(13.9以下、16.1以上)は、規格外で等級がかなり落ちる。

 ➂県の普及組織

 土用干し不足・早期田植え・一発肥えなど、様々な異常発生原因が考えられる中、有力なのが遅く田植えした圃場では発生が少ない。その、理由は、早期に植えたところは、田植え時の箱粒剤の効果が切れる頃に、ウンカが飛来したことが原因ではないかとのこと。馬鹿なことを言わないで!「オリゼメートオンコル」という箱粒剤は、トビイロウンカには効かないよ!こんなことも知らなかったようだ。現場に足を運び農家に寄り添って情報収集をしないからこんなことになるんだ。

 ④大手農業資材等販売店

 営農に詳しい方がいて、一番対応がまとも。来年からは、あまり使わない農機の貸し出しも検討してくれるとのこと。

 ⑤農機具店

 ウンカに関する情報がかなり集まっている。新たに購入した乾燥機はコンピュータ内蔵で様々なことができるようになっているが、結局は籾の状態に合わせて乾燥のボタン選択をすることが肝要であり、今年のようにウンカが発生した籾が混在している状況では、農家のストレスは溜まるばかりだ。機械メーカーは農家ファーストで考えているのかなという感が否めない(例えば、過乾燥になるように、水分量が設計されており不思議この上ない)。

総括するに、稲に力がある(遅く植えた田んぼは、稲が青く元気がある:因みに、私の田んぼでは、一番早く植えたところが、なんの影響もなかったのでこの説は当てはまらないが例外と解釈)田んぼは、虫に負けなかったというのが、どうも正解かも知れない。そのためには、翌年からは、田植え時期、昔のように、土づくりとして基肥(とれ太郎とか)、8・9月頃のウンカ駆除等行う必要があるのかも知れない(仮説)。しかし、投資・労力との見合いで農家は恐らく、「離農する」という選択をする者も少なくないと思われる。

来年度の、農水省の概算要求が今月初めになされたが、「スマート農業・DX」「水田の畑作化」「家族農業経営へ支援」「パイプライン化やICTなど新たな水利システム」など言葉が躍るが、現場実体と遥かにかけ離れておりここ奈良県・三宅町では虚しく響く。仮に、担い手に集積したとしても、大豆・麦は排水が悪く作れないので、過剰な米の価格低下には更に貢献すれど、自給率向上には逆行するだろう。国は担い手への集積につき令和5年までに8割を目標としているが(1兆円の輸出額以外目標数値は余り達成されたためしがない)、水管理や草刈りなど一部の篤農家に負担のしわ寄せが忍び寄っているのを実感するこの町の現状では、それではスタックすることを危惧する。まもなく、台風が来るわで各々の写真を撮る間もないほど、気の置けない日々が続く。

本来は、農業関連機関が体たらくでも「三宅町のトップ」がリーダーシップをとり、経済のエンジンとまではならないにしてもベースロードとなる「懐の深い産業(なりわい)である」農業をしっかりして見据えて、取り組む必要性を強く思う。

期せずして、今、「流域治水」や「事前放流」など、従来では考えられなかった政策が昨今の自然災害を背景に、官邸主導で進んでいるが、農業が犠牲になることがあってはいけない。空気、水と同じく当たり前のこの「食料」はもとより、「田園風景」「生物多様性」がどれほど「癒し」を与えてくれていることか!