三宅町の土地利用政策

奈良県立大学の理工学部や、国体施設を磯城郡に誘致とか言う話が、にわかに浮上しているようであるが、その前にこの町に大きなグランドデザインが無いために、土地政策は完全に失敗しているとかなり前から思っている。
従って、内水排除も無計画で農業も含めた経済の基盤は全く整っていない。誰かが、非連続的に提案を行うことは必要であるが、それが成功するかどうかは下地があってのことである。例えば、フィリピンやブラジルで小農に土地を分配する政策を援助を絡めてやったことがあるが、土地を得た農家はすぐに売却した。一方、日本では、小作で年貢を搾り取られていたので戦後の農地解放では土地を得た農家の土地生産性は飛躍的に伸びた。また、環境保全の萌芽が無いところで環境保護の法律を作ったところで順守されない。水田は流域治水の視点から大きな貢献をしていること、浸水区域、農用地区域などの意味を理解したうえで、町発展の青写真が描けるものと思料する。排水改良した水田の汎用化もできないところで、水田を転用するというならばあり得ない話である。やるならば、「開発行為を伴わない」既存の盛り土した空き地での話である。
今、大学の新設が成功するのは、少子化もあり、大阪の大和大学のように、都市部での話ではないだろうか!
末端農道を始め、血の通った地域政策などやるべきことをやらずに思い付きのような外部からの思想の無い土地利用は必ず破綻すると私は信じている。