深い話 その3 三宅町の財政

三宅町の財務状況

昨年の町長選挙時では、現森田町長の就任4年目の決算が出ておらず、前町長の影響もあるので、評価が正当にできず勝手な言い分で主張がなされている状態でした。
2021年3月17日頃にやっと総務省のHPに2019年度(令和元年度)の決算状況がアップされましたので、私なりに分析を行いました(昨年の9月議会には決算報告されているのに、一般町民がその全容を見れるのはその半年後というのも大きな問題だと思います)。その主要な結果は次の通りです。

1、単年度収支は、マイナス1億円で、現町長になって年々マイナスが孕んでいます。
2、実質単年度収支は、マイナス9,900万円で、これも現町長になって年々マイナスが孕んでいます。
注)実質単年度収支:単年度収支から,実質的な黒字要素(財政調整基金積立額及び地方債繰上償還額)を加え,赤字要素(財政調整基金取崩し額)を差し引いた額。当該     年度のみの実質的な収支を把握するための指標。
3、硬直性の強い「義務的経費」はともかく、道路等の整備に要し町の裁量が活かせる「投資的経費」については、現町長になって、約1.7億円減少し、3.1億円となっています。
4、借金の割合を示す「実質公債比率」についても、現町長になって、年々増加し、2.3% から9.9%となっている。

以上については、添付資料参照

これらから、小さな財政規模なので(約40億円弱の財政)、少し努力すれば指標は変動しますが、現町長の4年間においては、財務状況は横這いではなく着実に悪くなっています。産業や生活の基盤を整えるという小さな積み重ねが必要なのですが、産業の基盤を整備することや振興等に大した投資もせず何に使っているのでしょうか!条件不利地でもない三宅町が奈良盆地でポツンと一町「過疎地域」になったのは、長年の積み重ねなんて呑気なことを言っていていいのでしょうか?まさに、「自立することを捨てた物貰いの町まっしぐら」の序章のように思えます。

ある町会議員は、
1、「地方消費税交付金」が5%減少し、「利子割交付金」が45%減少したので、三宅町民は節約に努めているが貯蓄まで食いつぶしているのが、コロナ禍で一層心配だという見解をされていますが、これは10年単位でみると、変動(アップダウン)している上に額も小さく、当たらないと思料します(利子割交付金は約百万円に過ぎない)。寧ろ、人口が減り所得が減った結果だと思われます。

また、ある町会議員は、
1、複合施設の設計監理費などで・・・。今年度は、中央公民館を解体するので、借入金が大きく増える・・・、綱渡り・・・とのビラを配布されていますが、その通りです。

議会で何が起こっているのかわからない、わかるのは半年後、動画がリアルタイムで配信されている時代に!
住民との対話と言いつつ、いつの間にか、住民が知らない間に物事が決まっているように思われますし、住民との対話を究極に進めれば、議員は不要です。

複合施設は、不完全な計画と私は主張しましたが、複合施設を整備することによって、今後、役割を終え不要となる「つながり総合センター、上但馬保育所、人権センター」の取り壊し費用も今後嵩みます(最低数億円はかかるでしょう。原子力発電は尤も安価な発電といいつつ、廃棄物の処理費用が計上されていないようなもの)。
 
加えて、複合施設を整備することによって、役場職員がそれにエネルギーと時間、そして管理費用がかかり、その傾向が端緒に出つつあります。まるで、見掛け倒しの、真綿で首を絞められているような質の悪い政策です。しかも、(経過措置有無を問わず)過疎債は継続され、全く急ぐ必要はありませんでした。